Facebookにも投稿しましたが、タイトルの通り無事博士論文を提出しました。新型コロナウイルスの影響もあり、審査用の博士論文はPDFをオンラインで提出しました。
かれこれ、2017年2月末から博士課程に取り組んできましたが、ついに2021年10月19日、開始から4年8ヶ月経って博士論文を一旦書き上げ、大学に提出することができました。たくさんのお祝いメッセージもいただき、大変ありがたいです。
一旦博士課程修了が見えてきたところ、ではあるのですが、これで終わりではありません。
イギリスの博士課程では博士論文の提出後にもう一つ試練があります。博士論文は書き上げて提出した後に、内部と外部の試験官による審査があります。それぞれ博士論文を頭から最後まで読み、博士号授与に相応しいものか判断されます。そして数週間後二人の試験官との口頭試問があり、そこで博士論文についての質問、内容についての議論をします。学生がこれを自分で書いたのか、きちんと書いてあることを理解できているか、そして書いてある内容で不透明なことについて確認されます。
口頭試問は大体2時間から3時間かけて行われ、一通り確認が終わると、学生は一旦外に追い出されます。10-15分後また部屋に呼ばれ、結果を伝えられます。
この場合結果というと何通りかあり、まず一番良いのが『修正なしの合格』です。これはそのまま審査用に提出されたものを受理し、なんの変更を加えることもなく終了となるパターンで、そのままデジタルデータは図書館に収められ、印刷所でハードカバー印刷することになる感じです。
もう一つは『軽微な修正』と言われるもので、3ヶ月ほどの猶予期間中に修正をした上で再提出を求められますが、簡単なチェックのみでそのまま博士号が授与されます。そのうちで良いのが『誤植の修正のみで合格』という感じです。内容は特に触らず、指摘された誤植を修正することが求められます。もう一つは軽微な修正でももう少し変更を求められ、言い回しの変更、段落の追加、簡単なプロットや図の変更などです。どちらも内部の試験官が簡単にチェックするだけで良いものです。
そして『再審査なしの大幅修正』と呼ばれているものがあり、これは実験のやり直し、追加のデータ採取など、3ヶ月ではキビしいものです。これも再審査はないので、単純に作業量が多いため6ヶ月猶予が与えられます。
避けたいのは『再審査を要する大幅修正』というようなもので、これは口頭試問もやり直しとなります…
このいくつかのシナリオのうち、『(再審査なしの)軽微な修正』というカテゴリの結果が一番メジャーかと思います。(要出典)
そしてこの修正を大学に提出し、簡単なチェックを経て晴れて博士号が授与されることが認められます。
僕はこの博士論文の審査用の提出で、博士号の審査へのスタートラインに立ったこととなります。もうここからは博士論文の内容に触ることはできません。無事口頭試問へたどり着き、切り抜けることに全力を尽くすのみです。
肝心の口頭試問の時期ですが、審査用の博士論文提出から3ヶ月以内にしなければなりません。無事僕は内部も外部も決まっているので、学務課がきちんと仕事をしてくれることを祈るのみです。
とりあえずここから2ヶ月、指導教官の研究助手としてのバイトが入っているので、それをがんばりつつ、個別の論文の作業をしつつ、就活もし、TAとしてもバイトをしてお金を稼げればと思います。